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某蛙型侵略宇宙人についての萌え語り&日々のできごとをつれづれと書き記すためのブログ。文やら絵やら、好き放題。
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ケロロ軍曹超劇場版1、及び2、届きました!
さすがア●ゾン、注文から配達までが早い早い。
ありがたや。

軍曹たちの映画を見るのはこれが初めてなので興奮します。
興奮しすぎて気持ち悪いことになっている自覚があります。
うわー楽しみだ。
というかこの劇の感想を吐き出す場所がほしくてブログを開設したので・・・笑
いやもうじっくりこっくり見て気持ち悪い記事を更新したいと思います。

本当に楽しみ!

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PC、機械、インターネットに疎い自分がブログを始めることになろうとは・・・
萌えって、いや間違った、燃えってすごい。

熱は文字、文章で溢れているのに。
もっぱら手が動くのは落描き的な方面です。
アナログ人間だしスキャナもないです。
なのにイラスト描いてるとか、自分は本当に計画性がないな!笑

まあでもきっとどうにかできるでしょう。
とりあえず赤青の熱をどこかに放出しないと焦げついちゃいそうだ。

※リンクについて

当サイトはリンクフリーです。
ご連絡いただければ管理人が嬉し恥ずかしながら伺わせていただきます。

サイト名 : 7th Street
URL  : http://7thstreet.7narabe.net/
管理人 : P助(ポイすけ)
バナー : お手数ですが、バナーはお持ち帰りください。
      c295985a.png




あー、あー。
テス、テス。

うまくいっているでしょうか。










since 2011.07.04


my抱負。
まずは1年、そして2年。
のんびり続けて作品増やして、リンク貼らせてもらったりサーチ登録させてもらったりするぞー!

(2011.11.28)

……きらきらクリスマスのためには、事前準備が欠かせませんよね?
そんなサイドストーリー。



 Show Me Your Smile, Please?



 その日、俺ことギロロ伍長は、宇宙人街を歩いていた。

 来た目的である用事も済ませたことだし、特に長居する理由もない。さっさと帰ろうとソーサーを停めた場所へと足を急がせていたとき、不意に何かが目の端にひっかかった。
 (……ドロロか? 何をしているんだ、こんなところで)
 2、3歩身を戻して一軒の店を覗き込んでみれば、そこには見慣れた青い小さな体のケロン人。ドロロ兵長が、体の半分程もあるかのような大きな本を手に取り、凝視している姿があった。
 随分とじっくり見ているようだ。あの本が気になっているのだろうか。いや、気になっているのを通り越して、心底気に入っているようだ。あの様子なら買ってすぐに出てくるだろう、そう思って、せっかくだから一緒に帰ろうかと出口に体をもたせかけた。あいつには、最近発売されたナイフについて相談したいこともあったから、ちょうどいい。
 だが、待っても待ってもドロロは出てこない。おかしく思って店を再び覗いてみれば、相変わらず本を抱きしめたまま、難しい顔をしている。買うのか買わないのか、どれだけ悩めば気が済むんだ、あいつは。
 結局ドロロは、散々悩んだ挙句に本を書架に戻すと、何やら考え込みながら1人ですたすたと帰っていってしまった。あろうことか、俺に気付かずに、だ。
 あのドロロが俺の気配にも気づかない程とは。正直驚いた。同時に、いったい何の本を見ていたのかと興味をそそられた。ちらりと店の看板を確認する。古書店。スムーズに開くドアから入り、ドロロの立っていたあたりへと進む。
 「確かこのくらいの位置の……ん、これか」
 大きさも装丁もドロロが手にしていたものと同じ本を見つけて、俺も手に取ってみる。
 ポコペン植物大図鑑。おおよそ予想通りのタイトルに苦笑しながら、軽く中を確認する。
 と、思わず俺は目をみはった。
 本自体はよくある植物図鑑であって、それ以上でもそれ以下でもないのだろう。だが、挿絵がいちいち素晴らしい。自分は物の美醜には疎い方だと思っているが、それでも丁寧で緻密な線と柔らかな色遣いに、何か感じるところがある。
 次に図鑑をひっくり返して裏表紙を見る。そして、また納得した。軽く苦笑がこぼれる。
 なるほど、それは確かに気軽に購入を決断できない値段の本だった。本の背中を撫でてみればわかるとおり随分と年季も入っているようだし、もしかしたら稀少な品なのかもしれない。だからといって、あの青い男が買えない程高価なものだというわけでもない。しかし、ドロロは、昔から無駄遣いをしない男だった。
 「必要なものや、ヒトへの贈り物のためなら、これくらいポンと買っちまうんだろうがな……自分のためには踏み切れない、か」
 倹約家というかなんというか。あいかわらず生真面目なことだ。
 仕方ないな、と笑ってしまう。
 そして、先日取り付けた約束を思い出した。奇しくもクリスマスイブのディナーを共にすることになったのだから、プレゼントの一つや二つ、用意しておくべきだろう。これは中々いい考えなのではないだろうか。俺はそう思って、その本を手に持ったままレジで新聞を読んでいる店番の老人へと向かった。
 「すまん、これを」
 「はいよ、……ん? この本は……」
 「どうかしたか」
 老人が表情を曇らせたのに気付いて、俺は尋ねた。
 「いや。ここが店で、あんたが客である以上当然のことだし、お客さんは皆平等だ。それはそうなんだがね。だが、どうにもこの本を欲しがっているらしいヒトがいてね」
 俺は思わず肩を落とし、ため息をついた。店主にも覚えられているなんて、ドロロ兵長、お前はトランペットを欲しがって店先を覗き込む子供か。まったくどれだけ熱心に通っているんだ。やや苦労しながら、俺はなんとか気を持ち直す。
 「あぁ。実はこれは俺が欲しいわけではないんだ。ちょっとクリスマスの贈り物でな……空のような、青い色をしたケロン人のために」
 店主は目を大きく見開いてから、得心したように頷いて本を受け取った。そして笑顔で包装紙を取り出した。
 「なるほど、そういうことか。それならば、あんたもハッピー、あのヒトもハッピー。コイツも大事にしてくれるヒトのところに行く。皆うまくいって、万々歳、だ。少し早いがわたしからのクリスマスプレゼントということで、オマケさせてくれんかね、お客さん」
 店主の好意は元々ドロロの為の好意なのだから、自分が断る道理もないだろう――俺はそう思ったので頷いた。大げさな包装は断りつつ、シンプルな包みを受け取って、代金を支払い店を出た。
 これを見たら、あいつはいったいどんな顔をするだろうか。いや、いったいどんな笑顔を見せてくれるだろうか。そんな思いに、冷たく吹き付ける木枯らしもまったく気にならない。
 意識して頬を引き締めながら、俺は改めてソーサーの停め場に向かって歩き出した。

 ギロロが店を出て歩き出した、その数分後に、何かを決意したような顔でドロロが再び店にやってきた。棚をくるりと回って、しかしいつもそこにあったはずの本が無くなっていることに気付いて驚きの表情を隠せない。慌てて店主に尋ねるも、今売れてしまったというばかり。ドロロは肩を落として店を出て、帰っていった。
 雪の降る夜、嬉しいサプライズが待っていることも知らずに――




 

(2011.12.24)

 

 

 

 制作秘話……という程のものではないですが、裏話というかネタ元のページです。

 ある日、こちら(→http://shindanmaker.com/161625)のメーカーでこんなものが出ました。
 ・いつ【今年のクリスマスイヴ】どこで【人気のレストランで】誰が【ギロロとドロロが】どうした【幸せな時を過ごした】
 ・いつ【今年のクリスマスイヴ】どこで【自分の家で】誰が【ドロロとギロロが】どうした?【好きな人とお泊まりした】
 おいおいラブラブだなぁこいつら! と沸騰した勢いで書いたのが、この2011年クリスマス話です。だって連続でやったら連続でこんな結果なんですもの! クリスマスって、雰囲気も、音楽も、イルミネーションも、赤と緑とキラキラの飾りとの組み合わせも、とにかくクリスマス関係のものは何でも好きで、本当に好き過ぎてネタに困っていたところにコレです。神様の思し召しかと思いました。もしくは気の早いクリスマスプレゼントかと。今年はもうこれで十分です。十分ラブラブすぎます。ギロドロ!



 ちなみに単体だとしょうもない結果に。夢のような時間も吹っ飛ぶインパクト。
 ・いつ【今年のクリスマスイヴ】どこで【場末のラブホで】誰が【ドロロが】どうした【童貞を食った】
 ・いつ【今年のクリスマスイヴ】どこで【自分の家で】誰が【ギロロが】どうした?【サッサとクソして寝た】
 こ れ は ひどい……!
 ギロロは納得できるというか容易に想像が付きましたが、ドロロ……お前……!
 なんだよ食った相手は誰だよギロロは勘弁してやってよまだ裏書けねぇよ、とか、しょうもない想像が一瞬にして頭を駆け巡りましたが心の中の夢見る気持ち(残量僅かとはいえゼロではない)を捨てたくなかったのでペアで診断した結果に従うことにしました。なんかもうごめんギロロ。大丈夫だ、うちはドロギロじゃないギロドロだ。ドロロお前は自重しろ。
 夢いっぱいの きらきらクリスマスは大事です。大事。


 

on 24th



 「くりすます、でござるかぁ」
 「知らなかったのか?」
 「にん。毎年、12月24日は何やら賑やいで、皆忙しそうにしていると思ってはいたのでござるが。小雪殿に尋ねてやっと合点がいったでござる。いつもなら拙者は年末の掃除や新年の準備をしている頃でござるな」
 「なるほど、お前らしい」
 今日はクリスマスイブ。ギロロとドロロが連れ立って街を歩いていた。そう遅い時刻ではないが、季節柄、すでに日は落ちて夜が広がっている。そして、そんな暗闇を弾き飛ばすほどの軽やかで華やかなクリスマスイルミネーション。街を彩るカラフルな光に、ポコペン人スーツの2人もなんとなく馴染んで、あまり注目を集めないで済んでいた。
 ギロロがマフラーごしに白い息を吐き出した。
 「お前の方がポコペンの文化に詳しいと思っていたぞ」
 「拙者が学んだのは主に日本の伝統文化でござるからなぁ」
 ドロロは手袋をはめた手を顎に当てて、少々考える素振りを見せる。
 「この星の文化風俗全般に通じているのは隊長殿の方でござろう、真面目に仕事をしてさえいれば」
 「期待はできんな」
 ギロロが溜息を付きながら腕を組んだ。ドロロは苦笑する。
 「まあ、そう言わずに……えっと、それで。くりすます、というのは、普通は恋人同士で出かけたりするイベントなのでござるか?」
 「そうだな。いや、本来は家族で祝うものらしい。だが、この国では恋人同士の時間を過ごす日として広く認知されているという話だ」
 「ふむ、文化の違いでござるな。興味深い」
 「すまんな、相手がこんなむさくるしい男で」
 「申し訳ござらん、拙者、女装してくればよかったでござるかな」
 勘弁してくれ、とギロロが言って2人で笑う。
 時折奇妙な目を向けられることもあるものの、ほとんどの人は自分達のお祭り騒ぎに忙しい。色鮮やかに光を反射する街角、その照明の明滅にあわせるようにして心浮き立つクリスマスソングが聞こえてくる。寄り添い腕を組んで歩く恋人たちがいる。大事な人と、もしくは大事な人のために急ぎ足で行き交う人々を眺めながら、広がって道を歩くのがはばかられてギロロとドロロもやや近寄り気味に歩いた。
 駅前の大きなクリスマスツリーをしばし見物してから、裏に回って少し歩けば、目的のレストランが見えてきた。あまり大きい店ではないが、シックな外装と窓から漏れる暖かな光に好感が持てた。
 ベルを鳴らしながら入り口をくぐると、ポコペン人スーツが醸し出す異様さのせいだろう、さすがに戸惑った顔をされた。ちょっとしたイベントがあって、などと苦笑交じりになんとか誤魔化しながら外套と一緒にチケットを渡せば、安心した表情を見せた店員に案内される。
 「こちらのお部屋になっております」
 「個室か、助かった」
 「これならあまりじろじろ見られないで済みそうでござるな」
 一旦下がった店員に聞かれないように、2人で顔を突き合わせて安堵の息をつく。こんな時、あの緑の隊長がいればよかったと思うのだ。ケロロの口のうまさは、宇宙でも一級品だから。
 落ち着いて席に座ってみれば、そこは駅前のツリーまでよく見える、夜景の綺麗な個室だった。各々メニューから好みの主菜を選び、ドロロは食前酒、ギロロはフレッシュジュースの入ったグラスを掲げて、キン、と高い音を鳴らした。



 きれいな手だ。
 食事の最中だというのにそんなことを思い始めたのはいつからか。
 だが、青い男の食器を操る手に目を奪われて、ギロロはいつしかそんなことばかり考えていた
 そういえば昔から食事の姿はキレイな男だった。きっと家で徹底して躾けられていたのだろう。さすがに最前線においてまで作法を気にする様子は見たことが無かったが、環境によっては相変わらず体の覚えた動きが出るようだ。こんなにきれいな手が、冷たい武器を自在に操るあの手と同じものであるのだ、と。今この場で説明されて、誰が信じるだろうか。
 気が付けば、ドロロが心配そうな顔でギロロの顔を覗き込んでいた。少々己の思考に没頭しすぎていたらしい。
 「……ギロロ殿?」
 「……あ? あぁ、な、なんだ、ドロロ」
 「いや、なんだかぼーっとしてるというか、心ここにあらずという感じだったから……」
 「そうか? そんなことはないぞ、別に」
 だが、どうにもドロロの顔を正面から見られない。まったく空気に酔ったか、おまけにどうやら悪酔いしたらしい、と、ギロロはコーヒーに口をつけてひそやかにため息をついた。丁寧に淹れられたコーヒーの香りに助けられて、なんとか心を落ち着ける。
 デザートのケーキはギロロにとって苦手な甘さだったので、ドロロに譲った。ドロロは特に甘党というわけではないが、華奢な形(なり)をしている割によく食べる。
 ドロロはコーヒーを飲みながら夜景を眺めていて、ギロロはそんなドロロを見ていた。
 薄い。そう思った。
 その存在感はまるで雪のように薄いのではないかとさえ思う。雪のように儚く、心細い――今にも光に融けて消えてしまいそうな。そんな感想を抱いたことを自分で不思議に思いながら、ドロロ、と名前を呼んで、ギロロは飲み干したカップを皿に乗せた。
 磁器のぶつかる音と呼び声に反応してドロロが振り向いた。いつも通りの笑顔。抱いていた不安が霧消して、ギロロが少しだけ目を細めた。ドロロはにこりと笑む。
 「そろそろ行くでござるか?」
 「そうだな。存外、ゆっくりしていたようだ」
 立ち上がり、出口で受け取った外套をばさりと羽織る。
 料理の礼を店員に述べて外に出ると、空からふわりと白い物が落ちていた。
 ほう、とギロロが息を吐き出す横で、見る間にドロロの表情が輝いていく。ドロロはそのまま真っ白な道路へと駈け出した。
 「雪! 雪でござるよ、ギロロ殿!」
 「雪だな、ドロロ。嬉しそうだな」
 「拙者、雪が好きなのでござる。美しく、優しく、そして暖かい」
 「暖かい?」
 さくさく、と戯れに足跡をつけながら、ドロロがくるりと振り返って微笑んだ。
 「暖かいでござる。とても寒い日は、雪があるほうがいい。雪があれば芯まで凍て付くことなく、暖かさを感じられるでござるよ。それに、冬の雨は冷たさが心まで染み込んでくるでござるが、雪は心を包んでくれる」
 「ふむ。だが、雪などすぐに溶けてしまう、心細くて儚いものだろう」
 「今日は詩人だね、ギロロ君。……雪が儚いというのはその一面に過ぎぬでござる。時に凶暴に牙をむき、時に暖かく包み込んでくれる。雪とは頼りなく見えて、中々どうして、一筋縄ではいかないものでござるよ」
 「そういうものか」
 よくわからん、と呟きながらギロロは歩みを進める。いたずらっぽく笑っていたドロロが、ギロロよりも数歩先で立ち止まった。そして、ギロロが追い付くのを待って、懐から何か包みを取り出した。
 「ギロロ殿」
 「なんだ?」
 「めりーくりすます! プレゼントでござる」
 驚きにギロロは目を丸くした。クリスマスという行事のことも知らなかったヤツが、この行事の一大イベントまで――プレゼントまで用意しているとは。
 濃いブルーの紙に金色のリボンが巻かれている。シンプルだが深い色合いが美しい。そんな小さな包みと、それを両手で差し出してくるドロロとを何度か見比べてから、ギロロはそれを受け取った。
 「ありがとう、ドロロ。中身はなんだ?」
 「開けてみればわかるでござるよ」
 「ふむ? 今開けてもいいか?」
 「どうぞ」
 人通りもほとんどないし、いいよね、とドロロが呟くのを聞いて、ギロロは少し驚く。雪のせいか時間のせいか、確かにちょうど人通りがぱったりと途絶えているのだが、この男が人の目を気にするような代物を選ぶとは。こんなに綺麗な包みを開いてしまうのもどこか勿体ないし、家に帰るまで我慢しようか。いや、この会話の流れならばそれも無粋。結局、年甲斐も無く心弾ませながら、ギロロはがさがさと包装紙をひらいていく。ちらりと覗いた中身にギロロは目を見開き、慌てて全て取り出した。包装紙をどけて、箱も開けて、ドロロからの贈り物を手に取った。
 「これは……!」
 「どうかな。邪魔にならなければいいでござるが」
 「邪魔も何も、お前、これは」
 ギロロの手にしっくりと馴染むのは、一本のナイフ。
 握り心地の良さと切れ味の確かさに定評のある、有名なメーカーのものだ。ケロン軍の支給品にも採用されているが、今手に握っているものはどれだけ昇進しても支給されないであろう上位モデル、それも最新型だった。この最新型ナイフは発売直後から高い評価を得ており、ギロロも今度店先まで見に行ってみようと思っていたところだった。普段はナイフを取り出す機会も少ない(そもそも本格戦闘の機会自体が少ないのだ、カナシイことに)からつい後回しにしてしまいがちだが、ナイフというのは、弾が尽きた時に頼りになる、重要な相棒だ。使いこなすために馴染ませる手順をさっそく思い浮かべて、しかしその作業が必要ないくらい自然な握り心地の確かさに、ギロロは頬を綻ばせた。
 「あぁ、これはいい。おい、いいのか、こんな」
 「もちろんでござる。今日は大事なヒトに贈り物をする日なのでござろう。だから。本当は銃を見立てられれば良かったんだけど、拙者、銃には詳しくないゆえ……刃物なら、拙者でも使い心地がわかるでござるから」
 「刃物ならお前の方が分かっているだろうさ。そうか。いや、うむ。ありがとう、ドロロ」
 大事に自分の専用倉庫にナイフを片付けてから、ギロロも実は、と荷物を取り出した。
 ぱちくりと目を瞬いているドロロに、メリークリスマス、と決まり文句と共に手の中の袋を押し付けた。
 「め、めりーくりすます? え、ギロロ殿? これは」
 「先を越されたが、俺からのプレゼントだ」
 「え、」
 「……俺は、少なくともお前よりはクリスマスについて詳しいようだからな。準備していて当たり前だろう」
 「……そう、だね。そうか、そうだよね。ええと、今開けてもいいでござるか?」
 「ああ」
 寒さのせいだけではなく頬をピンクに染めながら、ドロロがわくわくと袋を開く。
 なんの飾りもない簡素な包みだが、その方がギロロらしい、と、笑いながら中の物を取り出したドロロの動きがピタリと止まった。
 「……」
 「……どうだ」
 「……ギロロ、くん、これ」
 「気に入らなかったか?」
 途端に取り出した本を胸に抱きしめて、ドロロはぶんぶんと首を激しく横に振った。こういう姿は昔と変わらないな、と、ギロロは思わず微笑んだ。
 「まさか! 逆だよ、ずっと欲しかったんだ、この本――どうして? すごい、あぁ、どうしよう、嬉しくて僕――あぁ、どうしよう」
 頬を一段と赤くして大慌てするドロロに、ギロロは、こいつの笑顔を見ていれば十分に暖かい、などと考える。雪に包まれるよりもずっといい。それから、次に自分に苦笑した。儚く消えそうだなんて考えたのはどこのどいつだ。ドロロはこんなに生き生きとしているじゃないか。
 そんな考えを気取られないよう、ギロロは何ともないような顔で歩き出した。後ろからドロロが駆け寄り、隣に並ぶ。その胸には本が抱きしめられたままだ。これだけ喜んでもらえれば、送った側としても満更でない。少し気恥ずかしくなって、ギロロはマフラーに顔を埋めた。
 「偶然見つけたんだがな。お前が欲しがりそうな本じゃないかと思ってな」
 「すごい! 大当たりだよ! 本当に、ずっと欲しいなって――ギロロ君、本当にありがとう! あぁもう、どうしよう。すごく嬉しい。ねぇ、僕、まだまだ君と話し足りない気分なんだ。さっきまでレストランであれだけたくさん話したのに。ごめんね、でも、お邪魔じゃなければこのあとギロロ君のテントに行ってもいい?」
 「もちろん構わんさ。あの店にはかなわないだろうが、俺もうまいコーヒーを淹れてやろう」
 「本当に? 嬉しい! 僕、ギロロ君のコーヒー好きなんだよ。今日は本当にいい日でござる……ギロロ君、めりーくりすます!」
 「あぁ、メリークリスマス」
 雪の上に続いていく2人分の足跡が、降り続く真っ白な雪に覆い隠されていく。
 このまま積もってしばらく溶けそうにない、それは――――きっと、暖かい雪。





 

(2011.12.24)
 



 人気のレストランで素敵な食事、しかもクリスマスイブに個室で夜景まで! 駅前商店街の皆さんが頑張ってくれました。笑。海外旅行を用意するより大変なんじゃないかと思います。そして頑張ってくれたにも関わらずお客さんが宇宙人じゃ、地域振興に繋がらないと思います。駅前商店街の皆さん、ごめんなさい。どうでもいいけどゼロロ(シッポ期)は、結構おしゃべりな子どもだったんじゃないかなぁ。
 なんだかポエミーになってしまいましたが、大好きなクリスマスの話が書けてすごく楽しかったです。幸せ!
 それでは皆様、
メリークリスマス(地獄で会おうぜ)!
 

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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